「見知らぬふたりのまま」
ブログ100日への道。74日目。
オンラインでのやりとりが増えるほどに、
言葉にすること、言葉で伝えることの大切さが身に染みる。
こうして毎日ブログで、とにかく自分の中にあることを
肩肘貼らずに、人の目を気にせずに、
するっと外に出してあげることを続けているけれど、
目の前にいる人に、本当に伝えたいことを伝えるのは
とても難しいと感じてしまう。
本当に伝えたいことは何か、すら分からなくなってしまったり。
喉元まで出かかっている言葉を、
出してあげられずに何日も経ってしまうこともたくさんある。
喉元から口の外までの距離が、
異常に遠い。
最近も、ずっとずっとずっとその距離を行ったり来たりして、
胸の中に生まれたそのままの声に触れることが
怖くて仕方ない。
私は昔からそうで、
我慢しているつもりもないけど、
胸の中に湧いた気持ちは、外に出すものではない、
と思い込んでいるかのように、口にすることがなかなかできなかった。
昨日、ランダムに流れてきた曲のフレーズに、
心が揺れた。
何から伝えればいいのか分からないまま時は流れて
浮かんでは消えてゆくありふれた言葉だけ
君があんまりすてきだからただすなおに好きと言えないで
多分もうすぐ雨も止んで二人たそがれ
あの日あの時あの場所で君に会えなかったら
僕等はいつまでも見知らぬ二人のまま
あの、名作ドラマの主題歌です。
初めのイントロが印象的な。
チュクチュ〜ン♪
何から伝えればいいのか分からなくて、
何を伝えたかったのか分からなくなってしまって、
ただすなおに言いたかった言葉が、
砂が手の平からこぼれ落ちていってしまう。
すなおに言いたかった言葉は、
相手にとっていらない言葉かもしれない。
相手はきっと受け取りたくない言葉かもしれない。
この言葉は、私のただのエゴかもしれない。
いつもお互いの胸の内を分かち合っている友人は
大きな目をもっと大きくして言った。
「エゴじゃないよ!それはぜったいに違うよ!
それはあなたのエゴなんかじゃないからね!!!」って。
数年前に、父に対して伝えたことがあった。
どうしても聞きたい父の声があった。
けど、、
「それはあなたのエゴだよ。言っちゃいけないこともある」
そう言われて、自分の本当の想いは、本当の望みは、
表しちゃいけないんだ、って思ってしまった気がする。
だってそれも正しいとも思うから。
ただ、どう受け取られるか、相手にとってどうなのか、
ということを考えすぎて言えなくなってしまう自分の気持ちも、
大切にしてあげよう、って思うっていうことです。
自分の憶測で、相手の気持ちを想像して口をつぐむのではなくね。
やさしさも、わがままも、かなしさも、まなざしも、
言葉にして目の前の人とやりとりしたいね。
じゃないと、いつまでも「見知らぬふたりのまま」だものね。