大地の音
ブログ100日への道。23日目。
北海道の阿寒湖に来ている。
湖は氷って、氷上でスノーモービルやスケート、ワカサギ釣りなどをやっている、冬真っ盛りだ。
夜は毎日花火が上がる。
阿寒湖は、私が小学生くらいまで、毎年お正月に親戚一同が集まる場所だった。
いとこの中でも、一人だけ歳が離れていたので、あんまり楽しいとも思えなかったのだけど、父がよく一緒にいてくれて、遊んでくれたなぁという記憶がある。
そういえばそうだなぁ。
阿寒湖は父の印象が強く残っているなぁ。
オネショに気付いた朝方、父が一緒になってシーツを取って、母にバレないように隠してくれたり(笑)
ゲームセンターに一緒に行ったり。
なにかとそばにくっついていた。
なぜかいま、
その場所に来たくて、冬の阿寒湖の風を感じたくて、ひとりでやってきた。
私にとって、身体に染み込んだ空気の土地で、
原風景に囲まれて、ひとりの時間を過ごしたくなったのだ。
マイナス13度。
懐かしい冬の空気。
雪を踏む音。
高い空。
山と湖(凍ってるけど)に囲まれた景色。
いろんな建物がリニューアルされて違うホテルになっていたり、アイヌの古典舞踊などが見られる素敵なシアターができていたりと、
良い感じに静かで、独特な雰囲気を活かしてリニューアルされていた。
ひとりで、雪の森の遊歩道をざくざく歩いた。
地元のお店に入って、交わす会話がうれしい。
アイヌの文化にとても興味が湧いた。
是非観に行きたいと思っていた、
『ロストカムイ』という、アイヌの古典舞踊と現代舞踊とデジタルアートを組み合わせた舞台。
アイヌの古典舞踊がとてもすてきだった。
ずーっと見ていたいような、
懐かしさを覚えた。
土着的で野性的で強い。
最後に、観客がみんなを舞台にあげてくれて、
本物の炎を囲んで輪になって踊った。
私、涙が出てきちゃって。
ぽろぽろ止まらなくって。
なんか、軽い感じでみんな楽しんでるなか、
ちょっとマジで感動しちゃって、
恥ずかしいことなんてないのに、ちょっと恥ずかしかった。
何なんだろう。思い出せない、あの感覚。
明日ももう一回行ってみる。
昨日の映画のこととかが、まだ残っているのもあるのだろうな。
カムイって神様っていう意味なんだけど、
ロストカムイってタイトルの通り、
失われつつあるものが、なにを語りかけているのか。
私たちは、なにを受け取るのか。
カムイとアイヌ(人間、という意味)
声を出し、声をきくこと、は、もうできないのか。
ヨシダナギさんの撮影
天から役目なく降ろされたものは
ひとつもない。
もともとは、生活の中にあった儀式や踊りや言い伝えを、こういうショウスタイルで文化を残し、伝えていくことも、とても有意義で有難い。
昔、子供の頃は、
よく、アイヌの方々と集合写真を一緒に撮った記憶がある。
今は、より理解しやすく、貴重な伝統文化の本質を感じ取れるようなやり方で紹介してくれて、ほんとに素晴らしいと思った。
ホームページにある、アイヌの方々のインタビューなども興味深かった。
滞在しているホテルでは、アイヌの木彫りや刺繍の作品などが、たくさん展示されていて、すごく落ち着くのだ。
やはり私には、
この土着的な、大地を踏み鳴らす音のようなものが、とても馴染み深いのだろうな、とおもう。
アイヌの民族衣装に施された刺繍
模様が、私の活動で使っているロゴマークにどことなく似たものを感じて嬉しくなった。