還暦をむかえる
今日は北鎌倉にある、東慶寺というお寺に行ってきた。
以前にも一度、暑い夏の日に立ち寄ったことがあるんだけれど、
今日は雨上がりの後の、しっとりとした、たまに吹く風が気持ち良い日。
今日の思い出の一枚を描いた。
初めて足を運んだ時と、今日では、
別の場所かのように、まったく印象が違って感じた。
すると、入り口に看板が。
Facebookページがあったので、そこから引用させていただきます。
東慶寺の境内には、数多くの梅、四季折々の山野草、そして北鎌倉の湿潤な気候により、様々な種類の苔が自生しています。
しかしながら、近年では台風や豪雨により、倒木と土砂崩れが多発し、樹齢数十年しか経っていない梅も衰えが見え始め、境内の大地全体が弱ってきていると感じておりました。
この度、「NPO法人 杜の会」の矢野智徳氏とのご縁をいただき、矢野さんご指導のもと、東慶寺境内の再生活動をおこなう運びとなりました。
自然と人間が寄り添い、共存できる環境を目指し、北鎌倉の風土と気候に適した境内環境作りを進めていきたい所存です。
https://www.facebook.com/media/set/?vanity=shokozan.tokeiji&set=a.2780204608752700
なんと!!
数年前に、矢野さんの体験講座のようなものに、参加させていただいたことがあった。
その時以来、大地の再生のこと、土中環境のことが、
じわじわとずっと心の片隅にありながら、
ここ最近、また、より明確にもっと知りたい体験したい、と思いはじめていた。
そんなことを知らずに連れてきてくれた友人に感謝!
ゆっくりと境内を歩きながら、
人間が丁寧に手をかけ、隅々に意識が行き渡り、
ともに育みあっていっているかのような印象を受けた。
人間は、60歳の還暦のときに、
「生まれたとき(赤ちゃん)と同じ暦に還る」というが、
長く生きてきたこの森のようなお庭が
必要な修繕などを行って息を吹き返し生まれ変わり、
まるで還暦を迎えているかのような気がしました。
瑞々しくふかふかな苔
弱っていたであろうところに適切に手を加えられている様子
咲き終えた紫陽花の花が、根元に寄せ集められ、
養分としている様子、
お墓があるエリアは、ラピュタにでも出てきそうな様子で、
草木や苔があたり一面を覆ってどこか幻想的でひそやかに守っている感じがした。
御本尊のある御堂の椅子に座って
しばし休憩していると、
鳥の声、虫の音、風、池で遊ぶ鳥、飛行機や電車の音、
いろんな声が充満していた。
雄弁に語っているようにも聞こえたり。
そして、となりで静かに話をする友人も、
鳥の声、虫の音、人の声、風や水の音、と並列の存在として
私の中に染み込んでくる。
頭が理解できる言葉は限りなく少ないのだけど、
たくさんの「ことば」がきこえてくるようだった。
友人が沈黙していても、言葉を発せずとも
語っている声が届いてきている、と思った。
都会では、そんな声たちが、いろんなものにかき消されて無言になっていたり、
届かないように感じてしまう。
きっと、都会の中ででも、たくさんの「ことば」が満ちているのかもしれない。
こんな風に、自分自身の考えや内的な声だけじゃなく、
ゆっくりと、いろんなものの声に耳を傾けられる余裕を、持っていたいな。
自宅の窓から見えた曇り空。
最近、なかなか梅雨明けしないどんよりした曇り空も、
好きになってきた。
東慶寺のブログ。
きっと素敵な住職さんなんだろうな。
画面越しからも伝わってくる。
https://iroridanro.net/?p=50070
東慶寺の大地の再生のプロセスが、丁寧に記録されています。